スケッチ2枚
そういえば、子どもの頃じゃんけんをする際によく、握った両手の隙間を覗いて次に出す手を決めるという占いをしたものだったけど、そうやって決めた手が勝負を左右したなんていう記憶などはまったくなくて、だけど誰が広めたのかわからないそんな胡散臭い儀式をぼくら子どもはなぜだか事あるごとに演じたもので、そうして当たり前の話だけど、いつの間にやらじゃんけんの際にもそんなしぐさをしなくなっていたのだった。
だいたいにして、両手の隙間がつくる影に射した光に、次に出すべきじゃんけんの手のどんな予兆を読み取るべきだったのか、そこまでは教わらなかった子どもには、何もかもが出鱈目に推移していくわけだった。あれは何だったんだろうか。