完全無欠の失敗、完全無欠のロックンローラー

まだまだ続くよ石積みは。

ここまで描きこむとパースの狂いがそうとう気まずいことになってきた。そのへんはもう諦めて目の前の壁に集中することにしている。男は諦めが肝心。男は狼。

今回の絵の表の課題は背景と集団の描写だったんだけど、裏の課題としてもうひとつ、「きっちりと失敗する」というのがあった。出来上がったあとに見返して、自分で自分の絵のダメなところが一目で分かるよう、完璧な失敗作を作るということ。これから先に何をすればよいのか、具体的な改善と努力の宛先のための指針になるような、明確な叩き台としての絵が欲しかった。今までは何となくふわっと誤魔化していたいろんなところをくっきり明瞭にして、行く末をクリアに、なるたけ遠くまで見通しておきたかったわけです。だからぜったいに手は抜かない。完璧な失敗をするためには今ある自分の全力を注がなきゃならない。でないと意味がない。手は抜かないし、曖昧にやりかけで投げ出したりしない。失敗作にもならないような線のもつれ玉みたいな何かの塊を積み上げることにはもうなんの意味もないことはよく分かっているので、今日もこうしてがんばって失敗を目指すわけです。
ちゃくちゃくと失敗の完成に近づいているようですが。